AWS for Industrial

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製造業に求められる 製品のスマート化の実現法 「 モノ売り」から「コト売り」の転換へ えば、顧客の工場で使用される生産機械などを製造して いるメーカーでは、納品・設置後の保守や不具合発生時 の診断・修理などが必要になる。また製品に制御ソフト ウエアなどを組み込んでいる場合には、そのバグ修正や セキュリティアップデートも求められる。通常であれば フィールドサービスが顧客を直接訪問し、現場で作業す る必要があるが、スマートプロダクトであればそのコス トや時間を削減できる。  第 2 の「 差別化・価値向上 」が当てはまるのは「 出荷後 に製品の機能追加を行いたい 」「 製品から収集したデー タを分析して予知保全を行いたい 」さらには「 自動運転 のようなこれまでになかった機能を提供したい 」といっ たケースだ。つまり製品そのものが提供できる価値を拡 張することで、差別化を図っていくのである。  そして第 3 の「 新規事業/モデルの創出 」では、「 製品の 切り売りからサブスクリプションモデルへの転換 」「 顧客の 周辺課題の解決といった新たなサービス提供 」「 自社開発 したサービス基盤を他社製品にも対応させることでプラッ トフォーマーになる 」「 機器から収集したデータをユーザー のニーズに合わせて加工・販売 」といったパターンだ。  もちろんこれらいずれのパターンでも、実現に至る道 は決して平坦ではない。実際に PoC までは行えても、そ れを実ビジネスとして展開するまでに至らないケースは 枚挙に暇がない。 3つの事例に学ぶ 「スマートプロダクト」への道筋  それではどうすればスマートプロダクトを円滑に実現 できるのか。ここからは具体的ないくつかの事例を取り 上げたい。  まずは、ロボット掃除機「 Roomba( ルンバ )」でおな じみの iRobot のケースだ。同社は 2015 年にインターネ ット接続型製品の販売を開始するなど、いわばスマート プロダクトの先駆者である。しかしスマート化に向けて は新たな課題も顕在化していた。それは、インターネッ ト接続型ルンバの販売台数が想定以上に推移すると予測 されたことで、殺到するアクセスをどう処理するのかが、 大きなテーマとなっていたのだ。  「 iRobot はその解決策として、インターネット接続型 ルンバの提供開始からまもなく、AWS の IoT を採用しま した。大規模なシステムを低コストかつ少ない労力で運 営し、消費者に追加料金を請求することなくサービスを 提供しています。これは『 コスト削減・効率化 』における 1 つのモデルケースだといえるでしょう 」と AWS ジャパ ンの山本 直志氏は語る。  次に「 差別化・価値向上 」の例として紹介したいのが三菱 電機の取り組みだ。同社は「 誰もが使える」家電づくりから さらに一歩進み、「 個々に寄り添う」家電の実現を目指して いる。つまり製品のパーソナライズ化を図っているわけだ。 アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 インダストリー事業開発本部 製造業担当 シニア事業開発マネージャー 和田 健太郎氏 図1 スマートプロダクトの取り組みにおける3つの目的 いずれを重視するかは、その企業が置かれた状況や目指す価値によって異なってくる

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