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製造業に求められる 製品のスマート化の実現法 「 モノ売り」から「コト売り」の転換へ 製造業にこそ大きな影響を与える 「デジタル化の波」 続けていくには、単なる「 モノ売り 」からサービスを主 体とした「 コト売り 」へと転換する必要性がある。もち ろん製造業である以上、その転換の中核にあるのはあく までも「 製品 」。つまり製品そのものにこれまでになかっ たサービスを付加し、新たな価値を創出することが求め られる。  そのためのアプローチとして近年大きな注目を集めて いるのが「 スマートプロダクト 」である。製品そのもの に IoT などのデジタル技術を導入し、情報を継続的にや り取りできるようにする。自動車業界における「 コネク テッドカー」は、その代表例だ。また、サブスクリプショ ン型のサービスと、魅力あるハードウエアを組み合わせ た SaaS plus a Box と呼ばれるビジネスモデルも登場し ている。  このアプローチを模索するため、既に PoC( 概念実証 ) に取り組んでいる企業も少なくない。さらに、ここにき て「 カーボンニュートラル 」や「 サーキュラーエコノミー」 の観点からも「 スマートプロダクト 」への期待が高まっ ている。しかし実際にビジネス化しようとすると、様々 な問題に直面することになる。ここではその問題を早期 に解決し、スマートプロダクトを円滑に軌道に乗せるに はどうすればいいのかを考えてみたい。   デ ジ タ ル 技 術 を 活 用 し て 既 存 市 場 を 作 り 変 え る 企 業 が、生活やビジネスを大きく変革しつつある。例えば音 楽業界では、CD の店頭販売は衰退の一途をたどってお り、ネット上で提供されるサービスをサブスクリプショ ン契約し、好きな曲を好きなだけ聞くことが当たり前に なった。  同様に、レンタルビデオ業界もビジネスが縮小し、ス トリーミングビデオ配信に置き換えられてしまった。こ れらの「 デジタルディスラプター( デジタル技術を活用 して既存市場を作り変える企業 )」によって、様々な領 域 で こ れ ま で 常 識 だ っ た ビ ジ ネ ス モ デ ル が 覆 り つ つ あ る。自動車業界も将来は「 車を所有する 」から「 車をシ ェアする 」へと消費モデルが大きく変化すると予測され ている。  この変化で大きな影響を受けるのは、実はほかならぬ 製造業だ。変化の本質は「 物質的・機能的価値 」から「 体 験型価値 」へのシフトであり、短く言ってしまえば「 モ ノからコト 」への変化だからだ。つまりこれまでのよう に、品質や機能に優れた製品を製造し、それを「 モノ 」と して販売するだけでは、消費者から選ばれにくくなるリ スクが高い。  このような世界で魅力的な商品として生き残り、勝ち スマートプロダクトの検討時に、 最初に行うべきことは?  スマートプロダクトを検討する際に、最初に行うべき は、その目的をきちんと整理しておくことだ。最終的に は「 新たな価値を創出して市場で生き残っていく 」こと が目標となるが、そのために具体的に何を目的にすべき なのかは、その企業が置かれた状況や目指す価値によっ て大きく異なってくるからだ。  「 すべての企業に共通するのは、顧客ロイヤルティ向 上と事業収益の向上ですが、そこに至る道は大きく 3 つ に分けられます 」と説明するのは、アマゾン ウェブ サー ビス ジャパン( AWS ジャパン )の和田 健太郎氏だ。同氏 はこれまで数多くの製造企業における「 製品のスマート 化 」を支援してきたが、その目的としては「 コスト削減・ 効率化 」「 差別化・価値向上 」「 新規事業 / モデルの創出 」 の 3 つがあるのだという。  第 1 の「 コスト削減・効率化 」が求められるのは、出荷 された製品の継続的なメンテナンスが必要な場合だ。例

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