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XtechSpecial_design_and_manufacturing

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旭化成・ミスミに学ぶ その「極意」とは 情報連携が変化の激しい時代に生き抜くカギに ていることが一般的です 」と指摘するのは、アマゾン ウ ェブ サービス ジャパン( AWS ジャパン )で、多くの製造 業システムを担当してきた戸田 圭輔氏だ。  このような状況では部門間連携を叫んでも、絵に描いた 餅で終わってしまう。「 各社員の人脈を駆使し社内グルー プウエアやメールで情報をやり取りする しかない 」という状況に陥るため属人化 し、システマティックな変化対応を行う ことは困難だからだ。また各システムの データを連携させている場合でも、表計 算ソフトなどを使って手作業で行われて いるケースが多く、これも情報連携のス ピードアップを阻害しているという。  それでは、この問題を解決するには何 が 必 要 な の だ ろ う か。 こ れ に つ い て 同 社 の 川 又 俊 一 氏 は 次 の よ う に 説 明 す る。  「 初期の段階では、各部門で使ってい る 個 別 シ ス テ ム を 統 合 す る こ と は 現 実 的では無いこともありますが、そこから 情 報 を 抽 出 し て 集 約 す る こ と は 可 能 で す。また将来的にはプロセス間連携まで含めた情報の連 携によって、変化にスピード感を持って対応できる仕組 みが必要です。その解の 1 つがデータレイクによる情報 の連携と活用です 」  こうした基盤をどう実現していけばよいのか。ここで 2 つの事例を紹介したい。 複数工場のデータをクラウドへ 現場主導のDXを促進する旭化成の生産系DX共通基盤とは  旭化成は 1922 年に合成化学と化学繊維の会社として創 業し、現在ではマテリアル、住宅、ヘルスケアの 3 分野で 事業を展開するグローバル企業だ。生産系と研究開発系、 それぞれの全社組織が DX に取り組んでいたが、2021 年 4 月に「 デジタル共創本部 」を設置してデジタル系部門を統 合、さらに営業マーケ・新規ビジネス創出組織も新設して 全社横断型で DX 推進に取り組む。生産系 DX を推進するの が「 スマートファクトリー推進センター」だ。  「 当社の生産系 DX におけるテーマは大きく 4 つありま す。1 つ目はこれまで人の目に頼っていた『 官能検査の数 値化 』、2 つ目は『 生産装置稼働の最適化 』、3 つ目は『 装 置の故障予兆の把握 』、そして最後に 4 つ目が『 IoT 活用 による現場負荷の低減 』です。製造現場では「 紙文化 」が 根強く残っています。このデジタル化を推進することに より、データの利活用の加速化・形式知化に結び付ける とともに、2000 年代に生まれた Z 世代やその後に続くα 世代が入社したときに、当たり前のように働ける環境作 りを目指しています 」と旭化成の中山 雅彦氏は話す。  この土台となっているのが、生産系 DX 共通基盤「 製造 IoT プラットフォーム( IPF )」だ。2018 年より構築着手し た IPF は二つの側面がある。「 製造現場のデータの分析・見 える化基盤( フィールド基盤 )」と「 アドホック・データ分 アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 デジタルトランスフォーメーション本部 デジタルトランスフォーメーションアーキテクト 戸田 圭輔氏 アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 インダストリー事業開発本部 シニア事業開発マネージャー 川又 俊一氏 図2 部門間のスピーディな情報連携に必要な情報基盤 各部門のシステムから情報を抽出してデータレイクに集約し、そこに集めたデータを各部門が活用 できる基盤を確立することで、情報連携を加速できる

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