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XtechSpecial_design_and_manufacturing

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拠点間・部門間・プロセス間の 迅速な連携が必須要件に いる部門が集めた情報を、確実に設計部門へとフィード バックするような部門間のプロセス連携も必要だ。また サプライチェーンの変化への対応では、調達部門や物流 部門と工場、さらには取引先との連携も見据えた取り組 みが指向され始めている。水平、垂直様々な情報連携の 達成具合によって、可能な DX のレベルも変わってくる。  ここで重要なのは、こうした連携を確実かつ迅速に行う ことである。情報が伝わっていないのは論外だが、伝わるま でに長い時間がかかるようでは、変化に追いつくことはで きない。対応したころにはもう次の変化が起きてしまう。で きればリアルタイムに近い速度で連携することが望まれる。  製造業がこれからも生き残り、市場に価値を提供し続 けるには、この課題を解決することが必須条件になると いえる。では具体的にどうすればいいのか。ここでは情 報連携を基に DX で成果を出している旭化成とミスミの 事例を紹介しながら、その実現方法を探ってみたい。  この 1 年で大きく変化した製造業の経営環境。消費動 向は以前とは全く異なる様相を見せ、サプライチェーン 側でも半導体不足が深刻になるなど、その脆弱性が顕在 化した。しかしこれらは、今に始まったことではなく、今 後はさらに加速していくと考えるべきだろう。  急激な変化に迅速・柔軟に対応できる体制を整備した い――。このような課題感を持ち、既にデジタル変革( DX ) に着手している企業は多い。IoT や AI を活用し、生産ライ ンのリアルタイム監視や設備故障の予測、稼働率向上など に取り組むケースはその代表例だ。また自社製品やサービ スに ICT 機能を実装し、「 スマート化 」や付加価値の向上を 行っていくのも、大きな流れになりつつある。  しかし工場や設計部門といった単一部門でのデジタル 化では、激しい変化には対応しきれない。例えばユーザ ーからの声を製品設計に反映するには、営業部門やコー ルセンターなど、顧客とのコンタクトポイントになって 部門間の情報連携の 阻害要因になっているものは  まず製造業の業務プロセス全体を、整理した形で俯瞰 しておきたい。  「 従来は部門ごと、生産拠点ごとにシステムを導入・運 用していたため、そこで扱うデータや情報も分散化する 傾向にありました。実はこうしたシステムの状況が、部 門間の情報連携を阻害する大きな要因になっています。 例えば販売部門は顧客関係管理( CRM )システムなどで 顧客情報を管理していますが、それらは設計部門の製品 情報管理( PDM )システムとは完全に切り離されていま す。また物流管理システムと工場内のシステムも分離し 旭化成・ミスミに学ぶ その「極意」とは 情報連携が変化の激しい時代に生き抜くカギに 図1 製造業の業務プロセス 業務プロセスを俯瞰すると実に様々な部門が多岐にわたる業務を行っていることが理解できる

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